スポーツで苦しむ君やあなたへ。
院長市川は鍼灸師である傍ら、小学生サッカーチームのサポートコーチを務めています。
コーチなんて偉そうな肩書を付けましたが、実際は我がチームの監督やコーチが指導しやすいように、子供たちが安全にサッカーに向き合えるようにサポートするのが役目です。
スケジュールの整理をしたり、練習試合の対戦相手を探したり、事務作業をしたりと結構忙しいです。
現在で3年目となりましたが、私にとってはライフワークの一つとなり仕事以外でこんなにも喜んだり、悔しがったり、熱くなったり出来る場所があるのはとても嬉しいことです。
また、私がコーチをやっていることから、患者さんの息子さんや娘さんがスポーツをしている方から相談を受ける事が多くなりました。
特にここ最近はスポーツ界の問題点が浮き彫りになり、ニュースになる事例が増えていますね。
たった3年ですが私なりに少年少女スポーツに携わり、苦悩する子供達や保護者を沢山見てきました。
このブログはそんな風に悩んでいる方たちのお役に少しでもなれば幸いです。
以下の文章は私市川が個人的に感じていることで、私の責任において書いています。
私が所属するチームや団体の考えではありません、よろしくお願いします。
スポーツとはなんだ???
小学2年生からサッカーチームに所属していました。
あまり強いチームではありませんでしたが、サッカーが大好きでした、そしてそれ以上に担当してくれていたコーチの事が大好きでした。
親でもない、学校の先生でもない、めっちゃ面白くて、怒るとめっちゃ怖い、、、そんなコーチでした。
いつもニコニコしていて勝っても負けても態度を変えませんでした。
だからあまり勝てなくてもサッカーが好きでした、なによりコーチに会いに行っていました。
卒団の時にコーチに色紙を書いてもらいました。
「マイペースでレッツGO!!」
なんだかずーっと私の心の中にあります、急ぎたくなったり、焦ってしまう時いつも思い出します。
最高の出会いは人生を豊かにするんだなあと心から思える私は特大ラッキーだったかもしれません。
勝利と自己顕示欲と
少年サッカーの会場で何度も信じられない光景を目にしました。
ベンチに座った大人が子供たち以上に熱くなり、ミスをした子を怒鳴りつけています。
怒られた子は、もう怒られたくないから怒られないようなプレーをします。
具体的に言えばミスをしないようなプレーを常に選択します。
しかしサッカーはミスをしないプレーの連続では上手くならないのです、だってそうでしょう?
ネイマールやロナウドだって沢山ミスをして沢山チャレンジしたから上手くなったのだと思います。
さて、では先ほどの大人はなぜ子供のミスに怒ったのでしょうか?
きっと今その試合に勝ちたいのだと思います。
自分が思った通りの方法で、思惑通りに勝ちたいのだと思います。
なぜ勝ちたいのでしょうか?
きっと勝つと気持ち良いのでしょうね、もちろん私も自分のチームが勝つととても嬉しいです。
しかし大人は選手以上に勝利を欲しがってはいけないように思います。
なぜなら勝利は「自分が優秀な指導者である」という自己顕示欲と表裏一体だからです。
勝ったら選手が頑張ったから、負けたら指導者の力不足、こんな風に考えることが出来る指導者ってどれくらいいるのでしょうか??
簡単なキャッチミスでゴールを許してしまい、試合中に怒られて泣き出してしまった対戦相手のキーパーがいました。
悔しい思いをしているのは本人です。
試合が終わり子供たちと片付けをしていたら、対戦相手の子供たちが飛んできました。
「僕らに持たせてください」
組み立て式の軽いゴールです、「軽いから大丈夫だよ、ありがとう」と応えると、「いえ持たせてください、お願いします」縋るような目で見てきました。
ああきっと手伝わないと怒られるんだなと感じ、私はどいて持ってもらいました。
すごくほっとしていました。
自主性って強制されるものなのでしょうか??
スポーツなんて遊びでいいのだよ
今スポーツ団やチーム、部活動でがんばっている君たち、毎回怒られてばかりでなぜ怒られるのかと考えることさえできなくなっていませんか??
自分の子供が暴言に近い言葉の暴力を浴びせられて、居てもたってもいられない気持ちでいる保護者の皆さん、それは正しいことではないって本当は気が付いていませんか??
怒鳴られ、叩かれるとメンタルが強くなると本気で思っている方はこのブログを不快に感じているかもしれませんね。
身体的な暴力はもちろん論外ですが、言葉による暴力や過度の強制も子供達から大切は想像力や発想力を奪う行為だと考えています。
だからこのような事が行われている場所からとっとと逃げてください。
「でも学校の友達やいままで一緒にやってきた仲間がいるから・・・・」
うーん分かります、でも他のチームや他のスポーツに転向したらもっと素敵な仲間に出会える可能性があるじゃない!!
私の長男も最初に入ったサッカーチームを1年で辞めました。
そのチームのコーチは2年生の子供達が試合でドリブルをすると、異常なほど怒る方でした。
話を聞くと「自分はバルサが好きで、バルサみたいなパスサッカーがしたいんだ」とのことでした。
サッカーは未経験だそうです、「こっちはボランティアなんだから好きにやらせてもらうよ」との事でした。
長男と何度も話し合い、チームを去りました。
何度も「親のエゴではないだろうか」と自問自答しました。
少しの期間を経て「ミスを怒らない」チームに入りました、長男はどんどんサッカーが好きになりプロ選手になりたいと言い始めました。
プロになれる実力があるかどうかは別にして(笑)夢中になれる事は素晴らしいと感じています。
本質を見失わないように
スポーツの本質は楽しむ事です。
言い切ってしまいます。
「違う、スポーツを通して規律や社会性を学ぶんだ、どんな事にも耐えられるメンタルを養うことが出来る」
こんな言葉が聞こえてきそうです。
確かに規律や社会性を身に着けるのにスポーツは有効な手段かもしれません、しかしこれらを身につけるにはスポーツを楽しんで心から好きになり、その上で自然と身に着く規律や社会性こそ子供たちの心身を強くしてくれるものです。
私は中学のサッカー部で練習試合の時に「気合が入ってないから」という理由で殴られたことがあります。
とても理不尽だと感じましたし、あの時の顧問の先生のなんとも興奮したような満足気な顔の気持ち悪さが忘れられません。
もちろんメンタルは強くはなっていません、というよりこんなにも理不尽な事が世の中に溢れているのかとがっかりしました。
最後に
自分の思いを言語化する作業はとても難しいです。
いわゆる体育会系が根強く残る、日本のスポーツ界が少しでも良くなり、もっとスポーツを楽しめるような環境になったらと心から願っています。
やっと、本当に最近になって暴力やパワハラがニュースになるようになりました。
ニュースを目にするたびにがっかりした気持ちになると同時に「まあそうだよな」と冷めた目で見ている自分がいます。
先輩から「渋谷のコーラが飲みたい」と言われて「押忍」と買いにいける人、そして自分の後輩にもなんの迷いもなく同じことを言える人には分かってもらえないだろうなと感じます。
最後にとても影響を受けているかたのブログを紹介します。
YOUTUBEのTEDでも有名な植松務さんのブログです。
こんな方が沢山いて子供たちに関わってくれたら本当に楽しくなるなあと感じます。
この夏は何冊か植松さんが書いた本も読みました、その紹介はまた今度したいと思います。
3人の子供の父親で、小学生サッカーチームのアシスタントコーチも兼任する鍼灸師。
自宅では娘に全く頭が上がらない、優しいパパです。